新型コロナウイルスの勢いが止まりませんね。
度重なる自粛要請やテレワークの要請等で、売り上げの見込みも立たず、厳しい思いをしている事業者がいっぱいいるかもしれません。
とにかく、今は利用できる融資を受けるだけ受けたほうがいいと思います。
確かに勤勉な日本人の事ですからお金を借りると言うことに対して抵抗があるかもしれないし、誰にも相談できないって悩んでいるケースもたくさんあるでしょう。
しかし、お金の悩みと言うものは想像以上に人に与えるストレスは大きいです。
とにかく今の局面を打開して、この自粛モードが終わったときに、必死に頑張って事業立て直しを図る事を考えてみたらいかがでしょうか。
そこで、今回は中小事業者や個人事業主(主に従業員が10人以内)に向けて、今利用できる融資やそれらの特徴などをまとめていきます。
弁護士でもあり税理士でもある僕がこれまで顧客に向けてサポートした経験も含まれております。
なお、僕は融資手続きのサポート(貸金業法で許される範囲で)も行っております。
その際はline@からご連絡いただければと思います。
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この記事の対象者はどんな人?
継続して、事業を営んでいる、法人または個人事業主になります。
その中でも従業員が最大でも10人くらいの事業者を対象にしております。
もちろん、外にも小口の融資はあるのですが、基本的にこのページおいては、上記に絞りご紹介します。
確定申告をしていない事業者
無申告だと、必要な決算書も用意できないし、審査にも不利に働きます。
急いで申告をしたほうがいいとは思いますが、トライしてみる価値はあります。
特に、政策金融公庫はかなり柔軟に対応をしてくれるイメージです。
開業届はすぐにでも出せるので、出してから審査に行きましょう。
融資の検討をする優先順位
上記の図のように順番に検討していけば良いのではないかと思います。
もちろんいずれか1つに限定する必要はなく複数利用することも考えられますので、あくまでも検討する順番を図示したものとなります。
ただ、最近は日本政策金融公庫には人が殺到しているので、どうしても資金繰りがまずい場合は保証協会を利用した融資のほうが今は早いかもしれません。
概要
日本政策金融公庫で実質的に無利子融資を受けられることになります。
基本的には、3年間に限り通常の利息から0.9%下がり(概ね1.36%→0.46%)融資を受けることができます。
それでも、0.5%くらいの利息が残るので、無利息じゃないのではないかとの疑問もわくでしょう。
こちらに関しては、後述の利子補給という制度の説明をご覧ください。
おそらく、今回紹介する制度の中ではもっとも審査基準が緩いです。
税金の滞納などがあっても今回は審査を通る可能性はあるのでトライしてみるといいでしょう。
融資限度額
6000万円
ただし、実質無利子は3000万円まで
担保の有無
不要(ただし、代表者は保証人になる必要があります。)
条件
・最近1か月の売上高が、前年または前々年同月からコロナが原因で売上が5%以上下がったこと
事業期間が短い場合
・最近1か月の売上高が以下のいずれかと比較してコロナが原因で売上が5%以上下がったこと
1過去3か月の平均売上高
2令和元年12月の売上高
3令和元年10月~12月の売上高
→いずれか一つでも当てはまればいいので、該当しそうな計算方法を選択しましょう。
手続き
管轄の日本政策金融公庫で融資の申し込みをする。
用意するもの
- 最大2期分の確定申告書
- 事業で使用している銀行の通帳全部
- 個人の生活費を回している通帳
- 売上減少を示す資料
- 法人の場合登記簿謄本
- 代表者と法人の実印
その他の情報
既存借入の借換も6000万以内なら可能です。
例えば、既存借入が1000万で追加で1500万まで融資枠があれば、2500万円借りることになります。ただし、実質無利息融資の枠3000万円を超える場合は、超えた分については、通常利息になります。
例えば、新たに5000万借入れた場合
3000万円まで(0.46%)
2000万円 (1.36%)
このように2口の融資となります。
概要
日本政策金融公庫の融資は上記の感染症特別貸付が基本ですが、旅館や飲食店の事業者は別枠でこちらの融資も受けることができます。
特に最近の自粛要請で最も打撃を受けている事業者が対象となっております。
ただし、こちらは通常の特別貸付と違い、利息の優遇制度はありません。
融資限度額
【旅館業】別枠3,000万円
【飲食店営業および喫茶店営業】別枠1,000万円
担保の有無
不要(ただし、代表者は保証人になる必要があります。)
条件
・最近1か月の売上高が、前年または前々年同月からコロナが原因で売上が10%以上下がったこと
事業期間が短い場合
・最近1か月の売上高が直近3ヶ月の平均と比較して以下のいずれかと比較してコロナが原因で売上が10%以上下がったこと
手続き
特別貸付と同じです。
用意するもの
特別貸付と同じです。
その他の情報
基準金利とは言え、通常の金融機関よりも圧倒的に利息は安いので、該当事業者はできる限り利用することをオススメします。
経営関連保証による保証協会を利用した融資(4号認定)
概要
本店所在地の市町村で該当事業者の認定を受けたうえで、信用保証協会を利用したうえで、通常取引に利用している金融機関から融資を受ける。
これまで、保証協会を利用した融資を受けたことがあればイメージは沸くと思いますが、初めての方はイメージがわきにくいかと思います。
信用保証協会という行政の機関があなたの事業のために保証人になってくれるのです。
今回は、4号という突発的災害に該当するということで、これまで保証協会を利用している人でも、別枠で下記の限度額まで保証をしてくれます。
つまり、通常の限度額の単純に2倍になるということです。
ただし、保証協会はあくまで保証をしてくれるのみで、あとは金融機関(銀行など)で審査を受けたうえでの融資の実行となります。
上記政策金融公庫と比較するとどうしても利息は高くなります。
金融機関によっては、コロナの保証協会の保証があれば、個別に利息を優遇していくれるところもあります。
また、市町村によって、あっせん融資*1を利用することにより、金利の一部を支援してくれたり、保証協会に払う保証料を支援してくれたりするので、市町村に確認して見れください。
例えば港区なんかは、あっせん融資を利用すれば利息や保証料全て負担してくれます。
ただ、あっせん融資を利用できる金額は低いです。
www.minato-ala.net
各市町村に問い合わせてみるのが一番です。
融資限度額
無担保→8000万
不動産担保あり→2億8000万円
条件
3か月以上事業を継続。
1年以上の継続している事業者の場合
直近1か月の売り上げが、前年同月から20%以上減少して、その後2か月間も同様の状態が継続する見込みのところ。
それ未満の事業者
直近1か月と、最近3か月の平均を比較して5%以上減少
直近1か月と今後3か月の平均がいずれも令和元年12月と比較して20%以上減少。
直近1か月と今後3か月の平均がいずれも令和元年10月~12月の平均より20%以上の減少
の3つのいずれかに該当すること。
手続き
まずは、本店所在地の市町村において、4号の認定を受けるための申請書を記載する必要があります。
基本的には対象の市町村のHPで申請書をダウンロードでき、必要書類の記載があります。
そこで記載をし、要件に該当すれば市町村で認定書を発行してくれます。
その後、認定書を管轄の保証協会か普段利用している取引銀行などの金融機関に持参をして金融機関と保証協会と事業者で3者契約を締結します。
用意するもの
- 各市町村の4号の認定書
- 売り上げ減少を示す資料
- 直近の確定申告書
細かくは金融機関により異なります。
その他情報
現状メガバンクのほうがパンク状態で、信金などのほうが手続きは早い可能性が高いです。
もちろん既存の取引銀行を優先しましょう。
保証料として、融資金額の1%ほど費用が掛かりますが、今回の4号認定で通常より安く設定されていることおよびこちらも市町村のあっせん融資により支援を受けられる可能性があります。
危機関連保証による保証協会を利用した融資
概要
売上が4号認定のように20%減少はしていないが、15%以上の売上減少している場合に保証協会による保証を受けられるというものです。
基本的には4号認定を受けられるほど売り上げは落ちていないけれども、一定の要件を満たせば受けられる融資となります。
また、上記の4号認定との併用での保証も可能で、その場合は保証協会による保証の枠が単純に2倍に広がります。
こちらも事業を営んでいる市町村による認定が必要となります。
もっとも、単に保証枠を広げればいいわけではなく、保証料もかかることとなります。
そして、あくまで保証を受けられるようになるだけで、金融機関との融資契約となります。
融資(保証)限度額
無担保→8000万
不動産担保あり→2億8000万円
こちらも、これまでの借り入れがあっても別枠で保証してもらえます。
条件
1年以上事業を継続。
直近1か月の売り上げが、前年同月から15%以上減少して、その後2か月間も同様の状態が継続する見込みのところ。
手続き
こちらは4号認定と同様に各市町村の認定が必要になります。
用意するもの
4号認定と同様です。
その他情報
こちらも、保証料がかかることは注意してください。
経営関連保証による保証協会を利用した融資(5号認定)
概要
特定の職種に該当することが必要です。
複数の事業を営んでいるいわゆる兼業の場合はいずれかにあてはまっていれば当てはまります。
※現在全業種に拡大された模様です(5月7日追記)。
条件
3か月以上事業を継続。
1年以上の継続している事業者
直近1か月の売り上げが、前年同月から5%以上減少して、その後2か月間も同様の状態が継続する見込みのところ。
それ未満の事業者
直近1か月と、直近3か月の平均を比較して5%以上減少。
直近1か月と今後3か月の平均がいずれも令和元年12月と比較して5%以上減少
直近1か月と今後3か月の平均がいずれも令和元年10月~12月の平均より5%以上の減少
・直近3か月の売り上げが、前年同月から5%以上減少している
もう一つ仕入れ価格の上昇も要件になっているが、現在原油価格が下落しているので上記だけ考えればいいでしょう。
兼業の場合は図のいずれでも、指定業種の売り上げが5%以上減少して、全体の売り上げも5%以上減少している場合と考えるとよいでしょう。
用意するもの
4号認定と同じです。
その他情報
自分の事業が指定の職種に該当するのか調べましょう。
4号融資との併用可能
ただし、全額保証ではなく80%保証となるため、金融機関の審査基準は大幅に上がります。
ただこちらも、市町村の支援もあるので、確認してみると良いでしょう。
※民間の金融機関も4号認定を受けた事業者などを対象に実質無利息融資が開始されるとのことです。
また、金融機関の方で4号認定を含めて手続きを代行してくれるワンストップサービスも検討されており、沖縄銀行などで開始されております(5月7日追記)。
www.okinawa-bank.co.jp
概要
こちらは基本的には日本政策金融公庫と同様の制度となります。
ただし、この記事で想定している小規模な事業者は利子の優遇がありません。
なので、通常の商工中金が想定している利率での借り入れになります。
ある程度の規模がある企業であれば、政策金融公庫と同様の優遇がありますが、現時点で(4月22日現在)小規模の事業者には優遇処置はありません。
ただし、金融機関に比べると利率は低かったりするので、トライする価値はあります。
日本政策金融公庫に比べると、比較的審査基準は厳しめです。
条件
日本政策金融公庫と同じと考えてください。
用意するもの
日本政策金融公庫とほぼ同じと考えてください。
その他情報
もともと出所は日本政策金融公庫と同じです。
融資の限度額も基本期には日本政策金融公庫と合算して行われます。
メリットがあるとしたら、日本政策金融公庫よりも今は審査が早いかもしれません。
普段から利用をしている方には検討する価値はあるかもしれませんね。
その他参考事項
実質無利息とは
利子補給と言って、現時点でまだ詳細は決定していないのですが、いずれ政策金融公庫での残った利息分や保証協会での保証料は政府により補填してくれるとされております。
それが都道府県になるのか国になるのか現時点では不透明です。
売上の減少を示す資料は何がいいのか
一番は、月次試算表があれば話は早いです。
ただ、なかなか準備が間に合わないような場合は、売り上げだけでも算出して、まとめるか、対象月の通帳の写しなんかでも認めてくれる場合があります。
日本政策金融公庫の現状
かなり、審査は緩くなっております。
ただ、それでも応募が殺到しているため、3月では審査から10日くらいで融資実行をしてくれたのですが、現状は1か月以上待たされることが多いようです。
専門家に相談するメリット
手続きを早く進められることや、融資可能額を上げられる可能性があるという点にあると思います。
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